時代にフィットした商品づくり
北茨城を代表する海の恵み「あんこう」。グロテスクで迫力のある姿とは裏腹にきれいな白身とコクのある肝がご馳走の高級魚です。三代に渡りあんこうを中心とした水産加工を手掛ける齋藤商店は、核家族化、魚離れなど時代とともに変化する日本人の食生活にあった商品づくりに力を入れています。
「三代目」が流行ってたんでね(笑)
かつて、先代である齋藤さんのお父さんが家庭で手軽に楽しめるあんこう鍋のセット商品を開発。当時のセットは4〜5人前用でしたが、齋藤さんは時代の変化に合わせて2〜3人前用の鍋セットを追加し、さらにはアルミ鍋に入ったひとり用のあんこう鍋も商品化しました。商品名も「三代目のあんこう鍋」と改め、看板商品に磨きがかかりました。「三代目」社長の改革ゆえの改名と思ったら・・実は、三代目 J SOUL BROTHERSを真似てつけたとのこと。バイヤーさんから「ちょうどいいじゃないですか!」って言われたのがきっかけで、と笑う齋藤さん。
あんこう料理の新定番「あんこうしゃぶしゃぶ」
三代目の改革は続きます。あんこうの旬は秋の彼岸から春の彼岸までと言われるように、冬場の肝は脂がのって最高です。鍋のイメージもあり、世間ではあんこうは冬の魚と認識されているようですが、あんこうは通年水揚げされる魚です。そこで、あんこうの新しい食べ方を提案すべく、「あんこうしゃぶしゃぶ」のセットを商品化しました。
出汁はあんこうの中骨や頭骨を4時間煮込んで取るんです。
コラーゲンや旨味成分が多く含まれていて、〆の雑炊までしっかり楽しめます。「あんこうって、知ってるけど食べたことないという方も多いから、ぜひ食べてもらいたいですね。」三代目の改革を支えるのは奥さんの美子さんです。
先代から引き継ぐ「あんこう屋」
お父さんを亡くして3年。未だに社長と呼ばれることに違和感があるという齋藤さん。世代交代し、奥さんとの二人三脚が始まりました。まわりにも元気を与えてくれるような笑顔とハツラツとした声が素敵なお二人ですが、「不安よりはワクワクが多いかな、6:4くらいで(笑)。不安がないといえば嘘になるから。」と本音を隠さず話してくれます。
原動力は、デコトラと推し活。
休みの日もアクティブに過ごすお二人。齋藤さんにとって仕事の原動力につながる趣味は、デコトラ。仕事でも使うトラックをカスタマイズするそうで、お話しされる目もキラキラしています。奥さんの原動力は推し活。「三代目・・じゃなくてジャニーズです。」と笑う美子さん。繁忙期と重なるため行けるライブが限られていると嘆きつつも、ライブのタイミングで旅行を楽しんでいるそう。これから先のことを伺ってみると、「あんこう屋を守っていくこと。四代、五代って続いていけばいいんでしょうけど、ひとまず私たちですね。」と。明るく誠実に仕事に励むお二人の姿が眩しく見えました。
