ゼロから始まった

ループ食品は代表の森拓也さんが令和3年に設立しました。森さんは飲食業から水産加工業へ転身。「相馬の魚をつかって、相馬のまちを盛り上げたい」——そんな森さんのまっすぐな想いに共感し、若い世代が集まり、現場では日々いきいきとした空気が流れています。今回は、立ち上げ当初から森さんを支えてきた高田大樹さんにお話を伺いました。

相馬のひとたちに相馬の魚を食べてほしい”

相馬に水揚げされる「常磐もの」と呼ばれる良質な魚は、豊洲や仙台といった大きな市場へ出荷されることが多く、地元の食卓にのぼる量が限られているのが現実でした。市場から車でわずか1分という立地に工場を構えるループ食品では、競り落とした魚をすぐに加工できるため、鮮度の高さが大きな強みです。干物や珍味、冷凍商品など幅広い商品を手がけ、全国へと発送しています。さらに、もうひとつの強みが調理技術。念願だった地元での販売も順調で、「浜の駅松川浦」には、カレイやメヒカリの唐揚げ、ホッキ飯、タコ飯など、相馬の魚を活かした惣菜が並びます。地元の方々はもちろん、観光で訪れた人からも好評を得ています。

活気あふれる原釜漁港

原釜漁港は、漁師も仲買人も若い世代が多く、常に活気に満ちた港です。高田さんも、まわりの仲買人たちから競りのいろはを学びながら、少しずつ信頼関係を築いてきました。また、「船迎え」と呼ばれる水揚げされた魚を仕分ける作業を女性たちが担っているのも、この港の特徴です。漁船が到着する前から準備が始まり、威勢のいい声が飛び交う様子は、港に日常的なにぎわいを生み出しています。

相馬といえば「トラフグ」って言われるようになれば

近年、海の環境変化により、相馬の海でもトラフグが水揚げされるようになりました。創業と同時に森さんはフグの加工免許を取得します。この地域ではフグを加工できる人がほとんどいなかったため、少しずつ「頼られる存在」になっていければ、という想いがありました。トラフグが相馬の新しい名産品として根づくように。ループ食品は、地域とともにその価値を育てていこうとしています。

ループ食品の未来

創業当初は売り先もなく、苦労の連続だったと振り返る高田さん。それでも会社は少しずつ成長し、「お客様に、いいもの・おいしいものを届けたい」という気持ちは、日に日に強くなっているといいます。仕事の中でうれしい瞬間を尋ねると、「自分が競り落とした魚を加工し、納品に行った先で、その商品を買っていくお客様を見かけたとき」と教えてくれました。自分たちの手で作っているからこそ、鮮度や美味しさを胸を張って届けられます。

仕事は本当に楽しいです。みんな熱量がすごいあるんです。

若く、勢いのあるループ食品。森さんが描く未来構想を聞かせてもらうと、どれも現実味のある、わくわくするものばかりでした。「実現する日も、そう遠くはないと思いながら日々やっています。」という高田さんの言葉どおり、これから先、相馬のまちはさらに活気を帯びていきそうです。